「伊勢神宮と神々の美術」を見てきましたよ

上野は東京国立博物館で、「伊勢神宮と神々の美術」展を見てきました。20年に一度、すべての調度を一新する式年遷宮を中心とした展示です。20年に一度、1500点におよぶ調度(社殿から衣から小物まで)をすべて一新し、20年に一度のために8年前から神事を伴う用意を始めるというスケールの行事は、約1300年前から行われています。
何をどうしたらそんな熱意と手間が出てくるんだ。どこを逆さにすれば出てくるんだ。
と、実際に伊勢神宮に行った昔のわたしは心から感心すると共に心から不思議に思いましたが、今回、古神宝(本来は焼いたり埋めたりして人目にふれないようにするものだけど、たまたま残っていたもの)と、昭和に入ってからの保存されている神宝を両方見て、やはり不思議に思いました。「伝統」とか「決まりごと」だけではないものがたぶんあの空間にはある。技術継承として非常に有効な制度だと思いますが、それだけでもないんだろう。と。
発掘された古神宝はパーツが欠けていたり色があせていて、これはこれで風情があっていいものでした。が、昭和期に入ってからの保存状態のいい宝剣を見た時は、あまりの鮮やかさあでやかさに展示品のみならず世界全体にいきなり色が付いたような錯覚に陥りました。びっくりした。展示全体としてはわりに地味ですが、式年遷宮のための書類も来ていてこれが漢字+楷書なので、なんとなく読めます。目録なんか気を付けて文字を追っていくと、わかったような気持ちになれて面白い。東京でお伊勢参り、おすすめです。