「死の内幕」を読みましたよ

天藤真推理小説全集3「死の内幕」天藤真・著(創元推理文庫)読了。

天藤真は「大誘拐」があちこちで名作だ!という評判は聞いていましたが、実際に読むのはこれが初めて。図書館にたまたまあったということと、設定が面白いので読んでみました。過失で殺人を犯してしまった女と、それを隠蔽しようとする友人達。上手く作り上げたはずの架空の犯人にそっくりな男がいたせいで事態は混迷を極めていく。真犯人側と、悪意なくでっち上げられてしまった架空の犯人側に協力者がそれぞれ結構な数いるせいで、最後の方は誰がどこで何やってんだっけ?と混乱しながら読んでました。ノリと結末は倉知淳を思い出す感じ。ミスリードにちゃんと引っかかったので個人的には満足です。ただ、初版が昭和38年ということもあって、風俗に関する言い回しや言葉そのものが、ニュアンスは伝わるけど知らないことが多かった。「ペテ食わしてやる」とか、ぺてんって今だとそれ自体あんまり言わなくなった気がします。
ともあれ、電車を乗り間違えて気付かないぐらいには引き込まれました。疲れてると何やらかすか判りませんね!