変化するものしないもの

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まず最初に「赤毛のアン」だったのがよかった。あれは子供時代に素直なら憧れるかドン引きして、大人になってから読むと苦笑いするか、脳みそが勝手に自らの過去を引き合いに出してしまい悶絶するか、かつてのテンションにあらためて憧れるかなどいろいろ読み方があるのがいいところだと思います。赤毛を緑色に染めちゃって涙目とか、その空回りぶりに共感してしまう。
個人的に天地がひっくり返るような思いをしたのは、「ピーターラビットのおはなし」でした。子供のころはピーターを全力で追い回し、隙あらばシチューと襟巻きにしようとするマグレガーさん夫妻はこの世で一番悪い人なんだと思ってたら、このウサギ害獣って言われても仕方ないことやってるよ!だいたい手当たり次第に畑を荒らしておいて「おなかいっぱいだから残しました」ってあやまれ!マグレガーさん(お百姓さん)にあやまれ!
逆に、中学生ぐらいで読んでみたかったなーという本もあります。今だったら西尾維新とか。記号満載で展開も派手でうまいなー。と思いながら適当に読んでいますが、これが中高生だったら黒歴史直結だろうと考えただけでぞっとする!楽しそう!全員の名前と二つ名と口調まで覚えてるね間違いなく。「…戯言だけどね」とかことあるごとに言ってるね。「キャッチャー・イン・ザ・ライ」は村上春樹訳が出るまで読んだことがなく(それどころか内容を誤認し続け)、読んだときには主人公を少し遠くから見るような立ち位置にいたので、これも学生時代に読んでムキーってなっておきたかった。なんというか、イベントをひとつ取り損ねたような気持ち。
そして、大人になってもこれはひどいと思うシチュエーションはあるもので、ピーターのいとこ、ベンジャミンの子供たちにマグレガーさんの奥さんがキャベツの芯を投げつけるのは、たぶん一生あんまりだと思い続けると思います。また挿絵が痛そうなんだ。*1
そういえば、自分の成長に伴う認識の違いを自覚したころから、「AはBのパクリだ!」*2とか「なんとかは文学、他はゴミ」みたいな主張にも、一拍置いて対処できるようになってきました。とは言え、その手の面白主張は第一印象がものすごく強いので、一拍置かざるを得ないという側面もあるのですが。毎回びっくりするんだぜ。

*1:「フロプシーのこどもたち」参照

*2:当然Aの方が先に出ている。下手すりゃ古典