「クララは歩かなくてはいけないの?」を読みましたよ

ロイス・キース著/藤田真利子訳「クララは歩かなくてはいけないの? 少女小説にみる死と障害と治癒」(明石書店)読了。
そういえば「物語だしね」で読んでたけど、神を信じたから、自分のことばっかり考えないようになったから、おてんばであることをやめることを受け入れたから、なんかよくわからないけど脊髄の損傷が治って立ち上がれたよ!呪わしい車椅子や寝たきりのベッドは必要なくなったよ!というのは、考えてみればなんだか腹立たしい。このパターンでありなのは「秘密の花園」ぐらいだ。*1もうひとつは、聖女のような病人が死ぬことでヒロインが自分を省みるパターン。障害者イコールひたすら(いろいろな意味で)かわいそうもしくは人格が完璧の二択なんて、いくら物語でも乱暴にすぎる。ヴィクトリア朝時代はそんな風潮で、現代においてはまた違う視点や試みの作品が出てきているというあたりで本は終わっています。
「障害者がありのままの姿で受け入れられ価値を認められる」世界になるためには、児童文学の果たす役割はきっと大きいのだろうと思います。ジャンルとしてはすっかり遠ざかっているけど、また読んでみようかと思いました。この本も何度か読み返してみると、また違う感じで読めたりするかもしれないので、数年後にまた手に取ってみようか。
自分が障害者に対した時に感じる混乱もぐたぐた書いてましたが、まとまらないので廃棄。

*1:あれは精神的なもので伏せっているので、メアリの荒療治で治るのは納得がいく。