「真鶴」を読みましたよ

川上弘美「真鶴」(文藝春秋)読了。
刊行当時に書店で見て、ものすごく目と気を引かれた装丁だったのですが、図書館ではさすがに箱から出して書棚にありました。でも本体の方もまたうつくしい。こういう「見た目が好きなので所持したくなる本」というのはちょっと面倒です。ハードカバーは置き場所がないから買わないようにしているのに、欲しくなってしまう。森博嗣の「スカイ・クロラ」シリーズもハードカバーの装丁が好きでずっと横目で見ています。
「真鶴」というタイトルの通り、真鶴*1が出てきます。いなくなった人、近くにいたけれど遠くなってしまった人、いとおしさとうとましさなど、どんよりした不安感と安心感がよかったです。暗い海のおそろしさと、ここに入っていけば安らかかもしれない。と思う不安定さを思い出す。
そういえば主人公に名前があるなあ。昔の短編にはあまり付いてなかった気がするけど。

*1:小田原と熱海の間あたり