「ブーリン家の姉妹」を読みましたよ

フィリッパ・グレゴリー著・加藤洋子訳「ブーリン家の姉妹(上・下)」(集英社文庫)読了。
映画「ブーリン家の姉妹」の原作本。とは言え、映画の方が省略はなはだしい上にかなり印象も違うので、別物として読みました。イングランドヘンリー8世の愛人となったブーリン家の姉妹、最初に愛された妹のメアリー視点で話は進んでいきます。ブーリン家の野望に使われる立場、お互いを憎みつつ愛して離れることのできない姉妹、宮廷の混乱などが散りばめられたベタベタの愛憎劇。ベースはチューダー王朝の歴史なので当然のこと展開も結末も決まっていますが、だいぶアレンジされている印象を受けました。才気煥発で野心を持った姉のアンが王妃となることを幸せと位置付けて必死に進んでいく姿は味わい深いものがありました。ただ、そのおかげで翻弄されることを好まない妹メアリーが途中からちょっと鼻について、終盤はわりとイライラしてしまった。というか、兄のジョージに「その愛は罪深い」なんて言う権利があるのか。スタフォードと既成事実作って結婚を認めさせるとか、自分のやってることもたいがいじゃん…。
トンデモ展開もわりとありますが、エンターテインメントと割り切って読むのがいいと思いました。訳文は読みやすくてよかったです。読み終わったので、ヘンリー8世前後の歴史をおさらいしてみましたが、同じような名前が多くてややこしいッ。ヘンリーとかメアリーとかジェーンとか多すぎなんだよ同じ名前付けないでくださいよ頼むから!