「生きる技術は名作に学べ」を読みましたよ

伊藤聡「生きる技術は名作は名作に学べ」(ソフトバンク新書)読了。
著者のブログ「空中キャンプ」を前から読んでいて、本が出るんだー!ということで買ってきました。新書って出版社が違っても表紙が同じ感じだったりしてわかりづらい!
本の内容は、いわゆる「名作」10作を読み解いてくれることになっています。カミュ「異邦人」、ヘッセ「車輪の下」、マーク・トゥエインハックルベリー・フィンの冒険」など、名前は知ってるけど読んでないとか大昔にざっと目を通したきりだとか、そういう名作が満載です。あらすじも載っているので、この本を1冊読み通すと名作10作に対して「だいたいあってる」ぐらいの知識を得ることができてお得ですよ。わたしは10作のうち読んだことがありかつ覚えているのは「車輪の下」だけ、読んだけど覚えてないのが「ハックルベリー・フィンの冒険」、途中で投げたのは「異邦人」、他は未読なので、いろいろな意味で新鮮でした。
作品自体の記憶が残っているヘッセ「車輪の下」はもちろん、「少年の日の思い出」は教科書で読んだ時からずっと恐怖感と共に記憶にあり、うまく折り合えないでいます。今でもヤママユガと聞くとガクブルしますが(テーマそこじゃない)、もう一度向き合ってみてもいいかしら。という気持ちになりました。そしてあらすじ付きのおかげで、タイトルから勝手に中身を連想していたらぜんぜん違ったよ!ということが次々に判明しました。「月と六ペンス」はオスカー・ワイルドが作るような話だと思ってたら身勝手中年(才能アリ)の話だったし、「魔の山」に至っては「神曲」みたいな地獄の話もしくは主人公が自分の内面にある魔の山と対峙するような話かと思っていました。かすってもいないとか。
これまでいわゆる名作を読むと、ツッコミどころが満載だ…あと共感しがたいキャラクタがどんどん出てくるけど何しろ時代が違うし、そもそもこれがわたしの手に渡るまで100年以上誰かの手によって受け継がれてきたんだから、それなりの理由はあるはず…でもこいつちょっとどうなの。みたいなことがよくありましたが、これからはあまりためらわずに「なんなのお前ー」とか思いながら読んでいこうと思いました。「パルムの僧院」はツッコミ先行しすぎて早々に脱落したんですけどね!だめだあいつ。

1/26追記:「月と六ペンス」「魔の山」の誤解について他人とは思えない人がいてびっくりしました。「生きる技術は名作に学べ」 - ごめんね日常