【映画】「ヤコブへの手紙」を見てきましたよ

フィンランド映画。登場人物も舞台になる場所もおさえた、いい雰囲気の小品でした。
終身刑を受けていたものの恩赦で出所した女性と、目の見えない牧師、それに加えて手紙を届ける郵便配達人ぐらいしかメインの登場人物はいず、ほとんど牧師の家とその周辺で静かに物語が進んでいきます。静かですが、登場人物たちの立ち居振る舞いや言動の意味、少しずつ変わっていく関係などを味わい深く描いています。
フィンランドは自然が豊かで人口が少ない国だと言いますが、外のテーブルで手紙を読み、またその返事を書くシーンなどは、森のうつくしさがとても印象的でした。神に仕える人に手紙で悩み事を相談し、あるいはただ訴える多くの人、その相談を受けることを生き甲斐とする盲目の牧師、牧師の代わりに手紙を読み上げ、述べられた通りに返事を書く主人公、手紙を届ける郵便配達人に降りかかる出来事はすばらしいことばかりではありませんが、余韻を残す映画でした。
余談ですが、牧師役の人の目がとても印象的でした。盲目の老人役では「薔薇の名前」のホルヘ役の人も印象深い青い眼でしたが、役どころはだいぶ違いました。違えどどちらもよかったです。